さらばD銀

通帳と印鑑持って、銀行へお金をおろしに行きました。
しかしま、通帳を提出しようにも、窓口や受付カウンターはどこにあるんだろ。

昔の銀行

かつてはどの銀行でも、一歩入ると窓口が並んでいて、普通預金、定期預金、振込などと案内板がありました。

月末になると、客がごった返して修羅場の様相。
「記帳だけなのに、1時間もかかっちゃった」と経理事務員がぼやいていたっけ。
窓口に通帳を差し出して行員に記帳してもらうまでは、自社の口座にどの顧客、どの支店から入金があったかさっぱりわからなかったのです。
急ぐときには、電話で名義人と口座番号を告げて問い合わせることもできました。誰が尋ねても教えてくれたから、セキュリティもプライバシーもあったもんじゃない。

後には電話回線を使ったファームバンキングとかいうのが始まり、銀行から貸与されたパソコンみたいな機器で、残高照会や資金の移動ができるようになりました。これで事務員もだいぶ楽になったようですが、回線が切れたり、入力ミスして訂正が効かないなどのトラブルも多発しました。

そのころ会社に出入りしていたD銀行の人に「どうかボーナスを定期預金に」と頼まれて作った総合口座ではなかったかと思います、たぶん。
定期はとっくに解約し、その後長年放置。D銀行はM銀行になったけど、相変らずD銀行の通帳のまま。
少額休眠口座は銀行側にも迷惑なものだから、このさい消滅させてしまおうと決意したのでした。

いざ銀行へ

今では銀行のドアを開けると、ATMコーナーになっていて、行員がいる窓口は2階に押しやられています。どこの銀行でも、似たり寄ったりの作りですね。

エスカレーターで2階に上がると、警備員らしき男性や実習生の腕章をつけた女性が寄ってきて、用件を尋ねます。預金を解約したいと言うと、笑みを絶やさず、「では、こちらの用紙のこことここに記入して・・・」と、親切なこと。
すでに残高ゼロとなった定期預金欄を見て、口座自体は残っているからと定期預金の解約用紙も。(総合口座なのに、普通と定期の口座番号が別という不思議。)
クレジットカードもついてるので、それも解約が必要。
つごう3枚の書類を書かされました。

それを窓口に提出。
「では手続きをしてまいります」と、行員が奥へ行ってしまい、待つこと数十分。

ロビーは閑散として、カウンターの中の行員たちもなんかヒマそう。月末の前日というのに。

えらく時間かかるなあ。苛立っていると、ようやく戻ってきて、なにしろ古い口座なものでと、言い訳。

調べたら、カードローンの口座もあったとのことで、その解約のため4枚目の書類を書かされました。定期預金の解約は不要なので破棄します、と、ふたつに裂いて屑籠へ。
このカードローンというのは、ATMで簡単にお金が借りられるというようなものだと思うけど、使ったことはありません。当時の行員の言うがままに設定したのでしょう。
クレジットカードも同様です。昔は銀行系カードってステイタスというか、信販系よりは格が上と見なされていたんです。だから向こうから作りましょうと言われれば、喜んでホイホイと。

さらに待たされたあげく、所要時間のめどが立たないので、ほかに用事があるなら先に済ませていただたほうがよろしいかも、などと言われ、番号札を持っていったん外に出ました。
いくら古い口座だからって、なんというのろさ。そりゃあシステムの不備と不調には定評ありの銀行だけど。
手芸店と百円ショップで買い物をして、パン屋に行こうとしたら、処理が済んだと連絡があり、銀行に引き返しました。

結局2時間経っていました。さんざん待たせたおわびはティッシュいっこ。残高は3,149円。
通帳には余白があるのに、なぜか新しい通帳に繰り越された後、解約手続きがされていました。紙の無駄って感じ。
通帳

無駄といえば

少額休眠口座と書きましたが、現実には私の口座は休眠ではありませんでした。

1度も使ったことのないクレジットカードの手数料が毎年引き落とされるので、たまに数千円ずつ入金していたのです。

現在の手数料は1,350円。これを数十年間せっせと支払い続けてきたなんて。
卵1パック98円と聞くと遠くのスーパーまで買いに行くのに、こういう無駄には頭が麻痺。今さらながら、わが経済観念にあきれます。

考えたら、不要クレジットカードは何枚もあります。セキュリティ上も危ういなあ。
しょっちゅう使うのは年会費無料の某スーパーのクレカ。これだけ残してあとは解約するか。
そういう気づきを与えてくれたから、今回のできごとはいい教訓と慰めようね。

それにしても、手数料が引き落とされるだけの口座とわかっていながらずっと保持し続けたのには、ちょっとしたわけがあるのです。
いつか宝くじ3おくえん当たったとき、この口座に振り込んでもらえば、振込料が倹約できるじゃない。

ったく、そういう妄想をいだく人間だから、いつまでもビンボーなんだよ。